お客様の声【トヨタ自動車株式会社様】
単なる業務改善を超えたモビリティビジネスのDXを推進!対等な立場で業務のコアな部分まで支援してくれる「イコールパートナー」

トヨタ自動車株式会社様が推進するモビリティビジネスのデジタル変革。大宇宙ジャパンはプロジェクトのパートナーとして20年以上にわたり支援を続け、モビリティビジネスの各工程をデジタルでつなぎ、お客様の声を分析・可視化、製品企画や製造へ反映する仕組みづくりを担ってきました。単なる業務改善にとどまらず、新たな価値創出を目指したプロジェクトをともに推進し、DXに貢献しています。
今回は、プロジェクトを主導してきた同社のDX業革推進部 宮原様に、大宇宙ジャパンをパートナーとして選定したきっかけ、プロジェクトにおける大宇宙ジャパンの強み、プロジェクトの成果などをお伺いしました。
【インタビューにご協力いただいた方】
トヨタ自動車株式会社
IT業革推進部 デジタルレボリューション 主査
デジタル変革推進室 担当部長
デザイン統括部 主査
調査部 主査
宮原 俊治 様
モビリティビジネスのDXを20年以上にわたり支援
まずは大宇宙ジャパンが支援しているプロジェクトについて教えてください。
宮原様:
大宇宙ジャパンには、モビリティビジネスの全工程をデジタルでつなぐプロジェクトに関わっていただいています。モビリティビジネスには、市場の調査・分析から商品企画、製造、販売、アフターサービスまで多くのプロセスがあります。これらの工程をデジタルでつなぐことで、例えば、お客様の声を企画や製造の現場に迅速に反映することが可能となります。
具体的には、大宇宙ジャパンにはお客様の声を集め、そのデータを分析・可視化するための仕組みの開発に携わっていただいています。単にシステムを開発するだけでなく、弊社の「イコールパートナー」として、現場にシステム導入した後のパフォーマンスを評価し、改善を重ね、より良いシステムを作り上げていくところまで伴走していただいています。すでに20年ほどご支援いただいており、TPS(トヨタ生産方式)の本質を理解してもらえていると感じています。
オフショア開発というと、一般的には「価格が安いから活用する」というイメージが強いかもしれませんが、私はグローバル展開する弊社にとって「国際色豊かで多様な人材が参画するプロジェクトチームをつくる」という側面が大きいと思っています。弊社のプロジェクトチームには、日本語のネイティブや中国語のネイティブ、またそれらのベース言語が異なる中で企画のプロフェッショナルや開発のプロフェッショナルなど、多様な要素を持った人材がいます。さらに、この多様性の中でリエゾン(連携、橋渡し)する人たちもいます。特にリエゾンの役割を持つ人たちの能力はプロジェクトの成否に関わるので、そうした人材が活躍するための勉強・育成できる場としてもオフショア開発を活用しています。
モビリティビジネスをデジタルでつなぐプロジェクトは、大宇宙ジャパンが支援し始めた20年前から始まっていたのですか。
宮原様:
2000年代初頭からですので、20年以上前からですね。当時はAIやビッグデータ、DXという概念はありませんでしたが、ちょうどG-BOOKというテレマティクスサービス※を提供し始めた時期で、それまで孤独な存在だった車という乗り物を、デジタルによって社会インフラとつなげていこうとしていた時代でした。
※自動車に通信システムを搭載しサービスを提供するシステム
初めて大宇宙ジャパンがプロジェクトに携わることになったきっかけについて教えてください。
宮原様: 海外で事業展開するにあたり、多様なバックグラウンドを持ったグループ内外のメンバーを集めた「多国籍チーム」を作ろうということになり、現会長の中山国慶さんにご参加いただいたことが最初のきっかけです。

プロジェクトパートナーに求める「心技態」
プロジェクトのパートナーを選ぶうえで大切にしている要素はありますか。
宮原様:
仕事は「何をどうやるか」という視点で進めることが一般的かもしれませんが、私は「誰と仕事をするか」ということが一番大事だと思っています。パートナーがしっかりとしていれば、何の仕事をどのような形でやることになってもうまくいくことが多いですからね。
プロジェクトでは常々「心技態」という言葉を大切にしています。一般的には「心技体」ですが、ここで言う「態」とは「態度」のことです。例えば、満足のいくアウトプットを生み出すことができなかったとき、「資料に書いてなかったのでできませんでした」といった言い訳をする人がいたとします。そのような「態度」になるのは目的を達成するための「技術」が身についていないということであり、その背景には「この仕事をやり切ろう」「この人を幸せにしよう」という「心」を十分に持っていないことがあります。つまり、結果に対する「態度」、「態度」を支える「技術」、そして「技術」を発揮するための「心」の持ち方は密接に関連しているということです。

大宇宙ジャパンの「心」はどのようなところに感じますか。
宮原様:
弊社はグローバルな大企業であるためか、多くのベンダーが「トヨタの言っていることは正しいに違いない」と思い込んでしまい、ベンダーからの意見が中々出てこないことがあります。それに対し、大宇宙ジャパンは反論も含め技術やビジネスの視点でしっかりと意見を言ってくれるので、対等な立場で建設的な議論ができており、「心」が備わっていると感じます。
また「心」に関連して、私がよく使う言葉に「夢と涙の共有」というものがあります。私たちは、自分たちが作った成果物が道を走ることを夢見て日々仕事に邁進しています。その過程で厳しい課題に直面することもありますが、涙を流しながらでも逃げずに立ち向かうことで「夢」が現実のものになります。そうした視点で見たとき、大宇宙ジャパンとはこれまで一緒に「夢」も「涙」も経験してきましたし、それらを共有できる「心」を持っているメンバーがたくさんおり、信頼感や安心感があります。
これまでの大宇宙ジャパンと経験した「涙」について何かエピソードはありますか。
宮原様:
過去に弊社が中国で事業展開を進めていこうとなったとき、当時は急に決まった状況もあって、短期間かつ今までに経験のない領域、という難しい条件下で準備を進めていく必要がありました。
大宇宙ジャパンには、現地のお客様の価値観や美意識などを自動車製品に反映するための調査システムの構築や、それに関わるデータ収集などをお手伝いいただき、様々な制約がある厳しい環境の中で頑張っていただいたと思います。このプロジェクトは大変でしたが、今振り返ってみると、この一緒に頑張った経験が今に活きてきていると感じています。
最近は中国国内の人件費が上がっており、円安トレンドも強まっているので、オフショア開発にとってはネガティブな環境になっていることは間違いありません。しかし、大宇宙ジャパンは生産効率の向上に努めたりすることでネガティブインパクトを吸収できるよう頑張っています。こうした努力は大変だと思いますが、このような苦しい経験は会社を強くさせる「資産」だと思っています。

「良い商品を生み出す」ことを目指し、DX実現のための仕組みづくりに貢献
「イコールパートナー」としての大宇宙ジャパンの強みや良いところはどのような点ですか。
宮原様:
トヨタのビジネスをしっかりと理解し、現場の実運用に即した形で改善し続けることができる点だと思います。
大宇宙ジャパンにはプロジェクトのお題を渡す前の段階、つまり「お題を生む」ところから関わっていただいています。具体的には、私が日常の中でふとした瞬間に思いついたアイデアを、現場のホワイトボードに書き出しながら意見交換をするところから関わっているイメージです。
私たちは「機能」の仕様ではなく「目的」の仕様を提示するので、「この機能を持ったシステムを作ればOK」という意味での100点の概念がありません。100点がある前提で100点を求めるのが普通のソフトウェア会社ですが、100点の向こう側を目指してともに改善を進めていけるところに大宇宙ジャパンの強みがあると思います。
弊社ではDXをDK(デジタライズ)+NVC(アナログではできなかった新価値の創造)と定義していますが、大宇宙ジャパンとのプロジェクトではまさにこうしたDXの本質を実現できていると感じており、単なる目先のデジタル化による業務改善だけではなく、それらに加えて「新価値の創造」に向けた取り組みができる会社であると感じています。
プロジェクトの成果についてはいかがですか。
宮原様:
システム開発を外部に依頼する際の成果というと、例えば「作業時間を〇時間削減できた」といった数字で測れる面に普通は目を向けがちです。私たちもそのような視点は当然持っていますが、それよりも数字成果のその先で得られたもの・生まれたものが大切であり、「最終的により良い商品を生み出せたか」という視点にこだわってプロジェクトに取り組んでいます。
例を挙げると、これまで十分に利活用されてこなかった価値観データをトヨタのモビリティデザインの中に取り込めるようにしました。単なる業務改善や作業の効率化ではなく、ビジネスの変革を成し得る新しい仕組みづくりができた、ということが一番の成果です。
最後に、大宇宙ジャパンに今後期待することがありましたら教えてください。
宮原様:
私たちが要望していることの一つに「調査のリアルタイム化」があります。消費者のニーズは日々刻刻と変化しているので、データの収集・分析・報告に長い時間をかけているとデータの鮮度が失われてしまいます。消費者のニーズが顕在化する前の段階から調査に着手できるのが理想ですね。
また、大宇宙ジャパンが属するトランス・コスモスグループは世界中で事業を展開しており、大きなアセットを持っているので、それを活かした提案ができると良いと思います。最近では海外のトランス・コスモスのアセットであるタイのコールセンターを活用した事業の事例もありますので、そのような提案を今後さらに積極的に行ってくれることを期待しています。

大宇宙ジャパンコメント
トヨタ自動車様とのプロジエクトに参画することを通じて、社会への貢献を実感しており、それが社員のモチベーション向上にもつながっています。
私たちは、特に製造工程におけるサービスカにおいて他社に負けない自信を持っています。また、グループ全体の連携により高い調整力と柔軟な対応力を発揮することで、質の高いサービスを提供しています。これにより、クライアントの期待を超える価値を提供しつつ、効率性にも優れたサービスを実現しています。
今後もトヨタ自動車様の「イコールパートナー」としてご期待にお応えし、業務改善を超えた DX の実現に向けて取り組んでまいります。